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DIYテクニック

100均小物のペイントリメイク|素材別の下地と塗料

更新: 2026-03-19 18:21:19佐藤 美咲

小物リメイクのペイントは、色を塗る前に木・金属・プラスチック・ガラスのどれかを切り分けるだけで、仕上がりがぐっと安定します。
筆者のDIY教室でも、木箱は最初の成功体験を作りやすく、逆にプラスチックはプライマーの有無で密着がはっきり変わると伝えるようにしてから、つまずく人が減りました。

この記事では、空き缶や木箱、ガラス瓶、プラケースのような身近な雑貨を、自分の部屋になじむ質感へ変えるために、下地処理と塗料の組み合わせ方から、初心者がそのまま真似できる5ステップ、安全と乾燥の基本までを先に整理します。
ミルクペイントシリーズ(DIY向け水性塗料)やDIYに使用する塗料の基本を紹介!種類や違いについてでも触れられているように、失敗を減らす鍵は塗料選びそのものより「素材に合う順番」を守ることです。

休日のベランダで新聞紙を広げ、マスキングをして、小さな木箱に薄く一層ずつ色をのせていくと、乾くのを待つ時間まで心地よく感じます。
そのリズムに乗れるとムラは出にくくなり、アンティーク風の仕上げもぐっと身近になりますし、剥がれやベタつきの原因も記事の中で順番にほどけるようにしていきます。

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100均アイテムのペイントリメイクで失敗しやすいポイント

100均アイテムのペイントリメイクは、材料費を抑えながら雰囲気を変えられるのが魅力ですが、失敗の原因はだいたい同じところに集まります。
筆者がいちばん多く見てきたのは、色選びより前の段階、つまり素材の見極めと下地処理の省略です。
空き缶、木箱、ガラス瓶、プラケースのような身近な雑貨は見た目が小さいぶん手軽に感じますが、塗料との相性はそれぞれ違います。
お家の雑貨をペイントしてリメイク! 人気DIYブロガーオススメの塗料と塗り方のコツでも、雑貨リメイクでは素材に応じた塗料選びや質感づくりが仕上がりを左右すると整理されています。

素材ごとに失敗の出方が違う

木は比較的扱いやすい素材ですが、表面が荒れていたり木粉が残っていたりすると、吸い込みムラやザラつきが出ます。
軽く整えてから粉を落とすだけで、同じ塗料でも見え方が落ち着きます。
金属や空き缶は、汚れや油分に加えてサビの有無も見ておきたいところで、表面が整っていないまま塗ると、後から端がめくれたり浮いたりしやすくなります。

いちばんつまずきやすいのは、プラスチック、ガラス、メッキのようなツルツルした面です。
ここでプライマーを省くと、塗れた直後はきれいに見えても、使い始めてから一気に弱さが出ます。
筆者自身、以前プラ素材の小物入れをそのまま塗ったことがあり、塗った当日はうまくいった気がしていたのですが、1週間ほどで角から爪が引っかかるように剥がれ始めました。
同じ形の小物を後日ミルクペイントシリーズ(DIY向け水性塗料)で紹介されているようなマルチプライマー併用の手順でやり直したところ、角の密着感がまるで違い、日常使いでも表面が安定しました。
ツルツル面では、このひと手間が見た目以上に差になります。

ガラスは見た目の美しさに惹かれて手を出しやすい素材ですが、透明感を活かす塗料と隠ぺいする塗料では仕上がりの方向が変わります。
ガラスに直接塗れるタイプもありますが、そこを一般化してしまうと失敗しやすく、塗料の適用対象に沿って判断したほうが崩れません。
ガラス瓶のような小物ほど、正面だけ見て進めず、裏や底の見えない面で一度試しておくと判断がぶれにくくなります。

室内用の感覚で屋外小物を塗ると傷みが早い

同じ100均アイテムでも、室内で飾るトレーと、ベランダで使う鉢カバーでは求められる性能が違います。
室内向けの水性塗料で満足できる場面も多い一方、屋外に置くなら耐候性、耐水性、金属なら防錆への配慮まで必要になります。
ここを飛ばしてしまうと、見た目は整っていても、雨や日差しで表面が先に傷みます。

とくに空き缶やワイヤーかごのような金属系の雑貨は、塗料だけで守ろうとせず、屋外対応の表記やトップコートの適用欄までそろえて見るほうが失敗が少なくなります。
DIYに使用する塗料の基本を紹介!種類や違いについてでも、水性・油性や用途別の選び分けが塗装の前提として扱われていますが、小物リメイクでも考え方は同じです。
アンティーク風に寄せたいからといって、室内向けの風合い重視の塗膜をそのまま屋外に持ち出すと、狙った経年感ではなく単なる劣化に見えやすくなります。

乾燥待ちを省くとベタつきが残る

製品ごとの差が大きいため、缶ラベルに記載された塗り重ね間隔を優先してください。
表示がない場合や目安が分からないときは、表面がさらっとして指で触れて跡が残らないことを確認してから重ねると安全です(気温や湿度で乾燥時間は大きく変わります)。

筆者も一度、早く終わらせたくて一気に厚くのせた日に失敗しました。
見た目にはしっかり発色していたのに、数時間たっても指にわずかに吸いつく感じが残り、置いた面にも気を使う仕上がりになりました。
しかも湿度が高い日は、そのベタつきが長引きます。
乾かないからとさらに風を当てても、厚塗りそのものが原因だと、表面だけ先に触れるようになって中が落ち着きません。
こういうときほど、塗料の性能不足ではなく塗り方の問題であることが多いです。

TIP

迷ったときは「一度で仕上げる」より「薄く2度」を基準にすると、色ムラ、ベタつき、乾燥不良をまとめて避けやすくなります。

薄く2回で整えると色も定着も安定する

小物のペイントでは、1回で色を決めようとすると失敗が増えます。
1層目は下地をならすつもりで薄く、2層目で色を整えるほうが、発色も均一になりやすく、乾いたあとの定着も落ち着きます。
実際、100均塗料の実例でも、ミルクペイント系はムラが出にくく扱いやすいという声が多く、薄塗りを重ねる前提だとマットな質感がきれいに出ます。
アンティーク調やシャビー仕上げでも、この基本が崩れると、狙ったラフさではなく単なる塗り残しに見えてしまいます。

木箱なら木目を少し残したままニュアンスを出せますし、金属小物ならエッジに塗料が溜まりにくくなります。
プラスチックではとくに、薄く重ねるほうが密着の弱い部分が早めに見つかるので、剥がれの予兆にも気づきやすくなります。
見た目を急がないことが、結果としてきれいな近道です。

作業環境と安全で仕上がりが変わる

塗料そのものが合っていても、作業環境が整っていないと表面の仕上がりが乱れます。
湿度が高い日は乾きが鈍く、ホコリが舞う場所では、乾燥中の面に細かなゴミがつきます。
窓を開けて換気を確保しつつ、風が直接当たりすぎない位置で乾かすだけでも、表面の落ち着きが変わります。
塗装直後の小物を床や低い棚に置くと、子どもやペットの手が触れやすいので、乾燥場所は最初から分けておくほうが安心です。

手袋、マスク、保護メガネも、仕上がりとは無関係に見えて実は作業の安定につながります。
手袋があると脱脂後の面に指の油分を戻しにくくなりますし、マスクがあるとスプレーや粉を気にして手が止まる場面が減ります。
細かい工程を落ち着いて進められるかどうかは、こういう準備で差が出ます。

いちばん効く予防策は、塗る前に素材を見分けて、見えない面で試し塗りしておくことです。
難しそうに見えますが、実際にはこの順番だけで防げる失敗が多く、色ムラ、剥がれ、乾燥不良のどれにも先回りできます。
100均アイテムは気軽に試せるぶん、手順も軽く見られがちですが、小さな雑貨ほどこの確認が仕上がりにそのまま出ます。

必要な道具と塗料|100均でそろうもの・別で用意したいもの

作業前にそろえる物は多く見えますが、小物リメイクなら道具は絞れます。
筆者の定番スターターキットは、30mm刷毛、細部用の小型スポンジ、紙やすり#180と#240、マスキングテープ、使い捨て受け皿の5点です。
木箱や空き缶、ガラス瓶くらいのサイズなら、この組み合わせで下地処理から塗装までひと通り回せます。
広い面を一気に塗りたいときだけ、50mm刷毛かミニローラーを足すと段取りが整います。

まずそろえたい道具

刷毛は30mmと50mmがあると便利です。
30mmは角や縁、瓶の口まわりのような細かい場所に向き、50mmは木箱の側面のような少し広い面で塗り筋を減らしやすくなります。
100均の刷毛でも小物用途なら十分使えますが、新品のまま塗り始めると毛が混じることがあるので、使う前に指で軽くしごいて余分な毛を落としておくと仕上がりが安定します。
これは安価な刷毛ほど差が出る小ワザです。
30mmは角や縁、瓶の口まわりなど細かい場所に向き、50mmは木箱の側面などやや広い面で塗り筋を減らすのに適しています。
新品の刷毛は毛落ちすることがあるため、使用前に指で軽くしごいて余分な毛を落としてください。
小型スポンジは、水性塗料をポンポンと置くようにのせるときに便利です。
刷毛目を消したいときや、アンティーク風に色をかすれさせたいときにも使えます。
面が平らな小物ならミニローラーも役立ちますが、最初の1回はスポンジが1つあるだけでも表情づけの幅が広がります。

紙やすりは#120、#180、#220、#240を用意しておくと困りません。
ざらつきや古い塗膜を落とすなら#120〜#180、塗る前の表面を整えるなら#220〜#240という流れです。
建具や木製小物で180〜220番がよく使われる流れは一般的で、手に取ると#180で引っかかりを消し、#240で表面がすっと整う感触の差がわかります。
100均の紙やすりでも十分ですが、面積が広い物を何点も続けて削るなら、ホームセンター品のほうが減り方が穏やかです。

そのほかに、脱脂用の布、マスキングテープ、ニトリル手袋、受け皿、紙コップ、攪拌スティック、新聞紙か養生シートがあると作業が途切れません。
脱脂用の布は古布やキッチンクロスで代用でき、中性洗剤で洗ったあとに水気を拭き取る使い方でも足ります。
アルコールを使うなら、ガラスや金属の油分を切る場面で出番があります。
受け皿は紙皿やアルミ皿、紙コップで代用できますし、攪拌スティックは100均の木製スティックや割り箸でも十分です。

塗料と下地材の役割

塗料は見た目で選びたくなりますが、役割で分けると迷いません。ミルクペイントは水性で、マットな質感が出しやすく、木箱や雑貨をやわらかい雰囲気に寄せたいときの定番です。
ミルクペイントシリーズ(DIY向け水性塗料)でも紹介されている通り、シャビーやアンティーク調と相性がよく、筆者も室内小物ではまず候補に入れます。
塗り重ねると色が育っていく感覚があり、刷毛跡も表情として残しやすい塗料です。

一般的な水性塗料は、ミルクペイントより選べるツヤ感が広く、つや消しから半ツヤまで選択肢があります。
実用品っぽく整えたい収納ケースや、汚れを拭き取りたい小物ではこちらが扱いやすい場面があります。
DIYに使用する塗料の基本を紹介!種類や違いについてでも、水性塗料は扱いやすさと後片づけのしやすさがわかりやすく整理されています。

マルチプライマーは、塗料そのものではなく密着を助ける下地材です。
プラスチック、金属、つるつるした既製品に色を乗せるなら、この1層があるかどうかで剥がれ方が変わります。
見た目は地味でも、後から角だけぺりっと欠ける失敗を減らす役目です。
特にプラケースやメッキ調小物では、色より先にこちらを挟んだほうが整います。

ニスは仕上げの保護膜です。
水性ニスや耐水クリアは、色を守り、汚れを拭き取りやすくし、水まわりの小物では塗膜の傷みを抑える役目があります。
マットに仕上げたいならつや消し、水拭きを前提にするなら耐水性のあるクリアを重ねる、という考え方です。
100均塗料だけでシャビー塗装を組み立てる実例でも、つや消しの水性ニスで表面を整える流れがよく使われています。

100均でそろいやすい物、別で用意したい物

100均で入手しやすい道具には、刷毛、スポンジ、ミニローラー、紙やすり、マスキングテープ、ニトリル手袋、紙皿やアルミ皿、小瓶、木製スティック、養生材などがあります。
Can★Do の公式ネットショップでスプレーペイント 70ml の取り扱い例が確認できることもありますが、塗装用品はチェーンや店舗、時期で品揃えが異なるため、必要な製品は事前に取り扱い状況を確認してください。
価格帯は110円(税込)が中心で、容量や機能により330円帯の商品もあります。

一方で、代用しにくい物もあります。
たとえばマルチプライマーは密着性能そのものを買う道具なので、ここを安易に省くとプラスチックや金属で差が出ます。強力な脱脂剤も同じで、シリコンオフのような専用品が必要な場面は100均のウェットシートでは置き換えにくいです。高品質のニスも、透明感や塗膜の締まり方に差が出るので、使用頻度が高いならホームセンターや塗料メーカー品のほうが仕上がりは安定します。

NOTE

消耗品は100均で賄い、密着や保護を担う材料(マルチプライマー、専用ニスなど)は専門品を選ぶと仕上がりが安定します。
刷毛や受け皿は使い切り前提で、プライマーとニスは仕上がり優先で選ぶのがおすすめです。

安全備品も買い物リストに含めておくと段取りが止まりません。
ニトリル手袋、マスク、保護メガネに加えて、室内では空気を流すための扇風機があると作業場が整います。
塗料を買うと色ばかり見てしまいますが、実際の現場では養生と保護具までそろって初めて塗り始められるんです。
小物DIYは材料費を抑えやすい一方で、この準備を先に済ませておくと、塗っている最中に手が止まりません。

素材別の下地処理|木・ブリキ/金属・プラスチック・ガラス

塗料の相性は色選び以上に、素材の見極めで決まります。
同じミルクペイントでも、木箱にそのまま乗る色と、プラケースで端から欠ける色では前準備がまるで違います。
木、ブリキや金属、プラスチック、ガラスの4つに分け、密着の差が出る下地処理を整理します。

まず全体像をつかみたい方向けに、素材ごとの考え方を表でまとめます。

素材プライマー要否推奨塗料注意点
木製小物素材次第で低め水性塗料、ミルクペイント、水性シーラー併用吸い込みムラ、木粉残り
ブリキ/金属あると安心水性塗料、ミルクペイント、金属対応塗料サビ、油分、空き缶の残渣
プラスチック高い水性塗料、ミルクペイント、マルチプライマー併用密着不足、角やエッジの剥がれ
ガラス塗料次第ガラス用塗料、ガラス対応塗料一般塗料の密着不足、洗浄不足

木材の下地作り

木は4素材の中ではいちばん素直ですが、下地を省くと表面の毛羽立ちや吸い込みムラがそのまま出ます。
小物なら、まず紙やすりで表面を整え、番手は#120から入って#180まで、表面をもう少し細かくまとめたいときは#220まで進める流れが安定します。
最初から細かい番手だけで触ると、角のザラつきや浅い傷が残りやすく、塗ってから光の当たり方で目立ってきます。

筆者が木箱を削るときにいつも意識しているのが、木目に沿って研磨することです。
これを守るだけで表面の整い方が変わります。
逆目で急いでこすると細かい引っかき傷が残りやすく、塗装後にそこだけ筋のように見えることがあります。
木目に沿って動かすと、手のひらで触ったときの引っかかりがすっと消えて、塗る前から表面の落ち着きが出ます。

削ったあとは木粉をきちんと除去します。
乾いた粉が残ったまま塗ると、塗料が粉ごと固まり、最初の一筆でざらっとした粒が混じります。
固く絞った布でていねいに拭き取ると、塗り始めの色の乗り方がそろい、ハケ跡も落ち着きます。
筆者の感覚では、この粉拭きが甘い木箱は一度目の塗りでまだらに見えやすく、逆にここを丁寧にすると最初の一層から均一感が出ます。

吸い込みが強い木箱は、水性シーラーで目止めしてから上塗りしてください。
特に明るい色は一度目で色が沈みやすいので、シーラーが十分に乾いてから同じ色を重ねると仕上がりが安定します。

ブリキ/金属の下地作り

ブリキ缶やスチール小物、空き缶は、木よりも下地処理の差が結果に直結します。
金属は表面がつるっとしているうえに、見えない油分が残りやすいからです。
手順は、サビと汚れの除去を先に行い、そのあと脱脂し、必要なら金属用プライマーを入れてから上塗りという順番で考えると迷いません。

サビは浮いた部分だけでも落としておきます。
赤茶色の粉が出る状態のまま塗ると、その上に塗膜をかぶせても土台が弱く、こするとぽろっと崩れます。
屋外で使っていた缶や、飲料缶より厚みのある保存缶ではこの工程が特に効いてきます。
空き缶をリメイクするときも、見た目はきれいでも口まわりや底の継ぎ目にサビが出ていることがあります。

汚れを落としたら脱脂に進みます。
中性洗剤で洗って乾かし、さらにアルコールで拭く流れを取ると、表面のぬめりや手垢が切れます。
ここで見落としやすいのが、缶詰の空き缶に残る油分です。
筆者も最初のころ、中身を洗ったつもりで塗り始めたら、側面の一部だけ塗料が弾いて丸く逃げたことがありました。
原因はラベルの近くに残っていた薄い油膜でした。
見た目では気づきにくいのに、塗料は正直で、残渣がある場所だけきれいに避けていきます。

そのうえで、密着に不安がある金属面や屋外を想定した小物では、金属用プライマーを入れておくと塗膜が安定します。
ブロカント風やサビ風の表現を狙う場合でも、土台のサビを放置するのと、サビを処理したうえで質感として作るのとでは意味が違います。
前者は劣化が進み、後者は意図した表情として残せます。

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プラスチックの下地作り

プラスチックは見た目以上に手強い素材です。
色は乗っても、乾いたあとに角から欠けたり、爪で触れた部分だけ線状に剥がれたりしやすいので、脱脂とマルチプライマーをセットで考えるくらいがちょうどいいです。
収納ケース、トレー、小さな既製品パーツの多くはこの工程で差が出ます。

最初に行うのは脱脂です。
中性洗剤で洗って乾燥させたあと、アルコールで表面を拭くと、手垢や成形時の離型成分の影響を減らせます。
光沢のあるプラ小物ほど、触った指の跡や皮脂が密着を邪魔しやすくなります。
筆者は小さなプラケースや樹脂トレーを塗るとき、洗浄だけで終えずにアルコール拭きまで入れることが多いです。

その次に入れたいのがマルチプライマーです。
プラスチックでは、これは推奨というより必須に近い位置づけです。
実際、アルコールで表面を整えてからマルチプライマーを挟んだプラ小物は、乾燥後に爪で軽く引っかいても色がめくれにくくなります。
何も入れずに塗ったものだと、同じ力でも角からぺりっと持ち上がることがあり、この差は作業中より使い始めてからはっきり出ます。

プラスチックで見逃されやすいのが、角とエッジの処理です。
平らな面は塗れても、角は手が当たりやすく、塗膜がいちばん薄くなりがちです。
ここでプライマーの足付け効果が効いてきます。
全体に一層入っているだけで、角の欠け方が変わります。
上塗りは水性塗料やミルクペイントが合わせやすく、くすみ色やマットな色で既製品感を和らげたいときに相性が出ます。
『ミルクペイントシリーズ(DIY向け水性塗料)』でも、下地材との組み合わせで表現の幅が広がることが整理されています。

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ミルクペイントシリーズ(DIY向け水性塗料)|RESTAdiy-shop.jp

ガラスの下地作り

ガラスはプラスチック以上に非吸収性で、塗料を弾きやすい素材です。
ただし、木や金属のように削って整えるというより、洗浄して乾かし、塗料選びを合わせることが中心になります。
表面に残った曇りや指紋がそのまま密着不良につながるので、まずは中性洗剤で洗い、水気を残さず乾燥させます。

ガラスでは、ガラス用塗料なら直接塗れる製品があります。
花瓶や小瓶の色付け、フロスト調の表現はこのタイプが向いています。
雑貨ペイントの実例を紹介している『お家の雑貨をペイントしてリメイク! 人気DIYブロガーオススメの塗料と塗り方のコツ』でも、ガラス向けの塗料を使うことで透明感や抜け感を活かせることがわかります。
一般的な水性塗料をそのまま塗ると、見た目は一度乗っても、こすれや洗浄で弱さが出やすいので、ガラス対応の表記がある塗料を前提にしたほうが筋が通ります。

専用品ではない塗料を使う場合は、ガラス向けプライマーを挟む選択肢もありますが、小物リメイクでは専用塗料のほうが仕上がりの方向がぶれません。
ガラス瓶に不透明色をべったり塗るより、透け感を残した色味のほうが素材の魅力が生きる場面も多く、インテリアになじませるならこの素材感は活かしたいところです。

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お家の雑貨をペイントしてリメイク! 人気DIYブロガーオススメの塗料と塗り方のコツ | マイホームマガジンmyhomemarket.jp

用語解説:脱脂とプライマー

脱脂は、表面に付いた油分や手垢を洗浄して、塗料の密着を邪魔しない状態に整える工程です。
中性洗剤で洗う、アルコールで拭くといった作業がここに当たります。
見た目がきれいでも、指で触れた跡や缶の油膜は塗料にとっては障害物になります。

プライマーは、上塗り塗料の密着を助ける下塗り剤です。
色を付けるためというより、塗膜を土台に結びつける役目です。
木では必須ではない場面もありますが、金属やプラスチックではこの一層で剥がれ方が変わります。
アトムハウスペイントの『初心者の方必見!DIY塗装の始め方』でも、DIY塗装は上塗りだけでなく下地から組み立てる考え方が基本として扱われています。

初心者がつまずきやすいのは、「塗る前はきれいに見えるから、そのままでよさそう」と感じる場面です。
実際には、木は粉、金属は油分、プラスチックは密着不足、ガラスは塗料選びがそれぞれの落とし穴になります。
素材ごとに下地の考え方を切り替えると、同じ塗料でも仕上がりが安定します。

初心者の方必見!DIY塗装の始め方|始める前に知っておいてほしいこと・最低限必要なものを完全解説 | 【公式】DIY・家庭用塗料(ペンキ)通販|アトムハウスペイントオンラインショップatomsupport-direct.com

基本の塗装手順|100均の小物をムラなく塗る5ステップ

小物の塗装は、色選びより段取りの順番で仕上がりが決まります。
100均の木箱や空き缶、プラケースのような小さな雑貨ほど、急いで一度で隠そうとするとムラやベタつきが残りやすくなります。
筆者は塗り始める前に、塗料をカップに少量出して木製スティックでよく攪拌し、端材か裏面で試し塗りしてから本番に入ります。
このひと手間で、色の出方と刷毛の含み具合が読めるので、最初の一筆が安定します。

実際の流れはシンプルで、初心者の方ほどこの順番を崩さないほうがきれいにまとまります。

  1. 洗浄・脱脂をする

    まずは中性洗剤で表面の汚れを落とし、水気を残さず乾かします。
    そのあと、必要に応じてアルコールでさっと拭いて手垢や油分を整えます。
    前のセクションで触れた通り、木は木粉、金属は油分、プラスチックは皮脂、ガラスは指紋が残りやすく、この段階を飛ばすと上塗りの密着が不安定になります。

  2. 研磨またはプライマーを入れる

    木製小物なら表面を軽く整える研磨、金属やプラスチックならプライマーを挟む、という考え方が基本です。
    ミルクペイントシリーズ(DIY向け水性塗料)でも、素材に応じて下地材を使い分ける流れが整理されています。
    ここで意識したいのは、下地を厚く作りすぎないことです。
    塗り残しを怖がって一度にたっぷりのせると、そのあとの上塗りまで重くなって、角やモールドに塗料がたまりやすくなります。

  3. 1回目は薄く全体に塗る

    ここがいちばん差が出る場面です。
    1回目は発色よりも「面をそろえる」感覚で、薄く全体に広げます。
    刷毛は長めに動かし、できるだけ一定方向で流すと、筋が整います。
    角や縁に塗料がたまったら、そのまま乾かさず刷毛先で軽くさらって余分を伸ばします。
    筆者はこのとき、塗る、刷毛を少し休める、余分を伸ばす、という3呼吸のリズムで進めています。
    勢いのまま往復させるより、この間を入れたほうが塗膜の厚い場所に気づきやすく、ムラが出にくくなります。

  4. 乾燥後に2回目を重ねる

    1回目が乾いたら2回目を入れて色を整えます。
    ここでも一度に隠そうとせず、薄い膜を重ねる意識のほうが結果は安定します。
    塗り重ねの間隔は、缶やラベルにあるメーカー推奨値に合わせるのが前提です。
    乾いて見えても内部が落ち着いていない段階で重ねると、表面だけ引きずって刷毛跡が増えたり、あとからベタつきが残ったりします。
    厚塗りがよくないのは、乾燥不良を起こしやすく、重力でたれやすく、表面を何度も触るぶん刷毛跡まで増えるからです。
    薄塗り2回のほうが、色がそろい、エッジも埋まりにくく、小物の輪郭がきれいに残ります。

  5. 必要ならトップコートで仕上げる

    飾るだけの雑貨なら上塗りだけで止めても成立しますが、手に触れる小物や水回りに置くものはトップコートまで入れると塗膜が安定します。
    室内の木製雑貨なら水性ニス、色味をそのまま見せたいときはクリア系という選び方が基本です。
    屋外寄りの使い方や洗面まわりに置く小物は、上塗り色だけで終えるより保護層を重ねたほうが見た目が整いやすくなります。
    アサヒペンのDIYに使用する塗料の基本を紹介!種類や違いについてでも、水性塗料と仕上げ材の考え方が整理されていて、小物でもこの順番はそのまま応用できます。

室内作業の換気・安全チェック

室内で小物を塗るときは、作業スペースを広く取るより先に、空気の流れを作っておくと段取りが崩れません。
窓を一方向だけ開けるより、空気の入口と出口を作ったほうがにおいがこもりにくく、乾燥中も落ち着いて待てます。
スプレー缶やアルコールを使う場面では火気を遠ざけるのが前提で、手元にはニトリル手袋を置いておくと、脱脂から塗装まで手の汚れを引きずらずに進められます。

TIP

乾燥待ちの小物は、塗った面が机に触れないように割り箸や空き箱の上にのせておくと、底面の貼りつきや塗膜のヨレを避けやすくなります。

特に室内で焦りやすいのが、「においが弱いから大丈夫」と感じて工程を詰めることです。
水性塗料でも換気を入れた状態のほうが作業中の判断がぶれません。
筆者のDIY教室でも、塗る工程そのものより、乾燥待ちの場所を先に決めておいた人のほうが失敗が少なくなります。
塗った直後の小物を持って移動させると、それだけで指跡や角のヨレが入るからです。

乾燥の見極めポイント

初心者が迷いやすいのは、見た目が乾いているように見える瞬間です。
表面にツヤが引いても、そこで重ねるとまだ早いことがあります。
筆者は乾燥の見極めで、触って指につかないのに、表面にひやっとした冷たさが残る段階では再コートしません。
この状態は表面だけ先に落ち着いて、中がまだ動いていることが多いからです。
手触りがさらっとして、冷たさも抜けたところまで待つと、2回目の刷毛が引っかからず、塗膜も落ち着きます。

乾燥時間は塗料ごとに違いますが、小物では「薄く塗ったのに乾かない」のではなく、「一度にのせすぎている」ことが原因になりがちです。
空き缶リメイクの目安として約1〜2時間ほどで扱える塗膜になる例もありますが、小物全般では時間の長短より状態を見るほうが失敗を減らせます。
見た目の色が整っていても、角だけ柔らかいときはまだ待ち時間です。
角は塗料が集まりやすく、乾きの遅れが最初に出る場所だからです。

スプレー塗料を使う場合の違い

刷毛塗りとスプレー塗装で大きく違うのは、塗料を「置く」か「吹きつける」かです。
スプレーは広い面を均一に見せやすい反面、一度に色を乗せようとするとたれやザラつきが出ます。
100均でも『Can★Do』の公式ネットショップで70mlのスプレーペイントが確認でき、手軽に試せる選択肢には入りますが、小物では近づけすぎないことと、1回で隠そうとしないことが仕上がりを分けます。

流れとしては、洗浄と脱脂、必要ならプライマーまでは刷毛塗りと同じです。
そのあと、1回目は霧をかけるように薄く全体へ入れ、乾燥後に2回目で色をそろえます。
メーカー品の水性スプレーでは夏場の表面乾燥が40〜50分、冬場は1〜2時間という例があり、スプレーは見た目以上に待ち時間を取る前提で組むと工程が乱れません。
初心者の方必見!DIY塗装の始め方でも、DIY塗装は塗る前の準備と乾燥の取り方で差が出ると整理されていて、これは小物のスプレーでも同じです。

スプレーでは刷毛目が出ない代わりに、吹き始めと吹き終わりに塗料が集まりやすいので、対象物の外から動かして通過させる感覚が合います。
反対に、瓶の口まわりや箱の内側のような細部は、刷毛のほうが狙った場所に塗膜を置けます。
平らな面はスプレー、縁や裏面の補正は刷毛、という組み合わせにすると、小物リメイクでも表情が整います。

店舗検索 | Can★Do(キャンドゥ)shopinfo.cando-web.co.jp 関連記事スプレー塗料の選び方|缶スプレーで綺麗に塗るコツ缶スプレー塗装は、色選びより前に「何に塗るか」を決めるところから仕上がりが変わります。木材・金属・プラスチックのどれを塗るのかをはっきりさせ、缶の裏面表示から下地材と上塗りを読み分けられるようになると、初心者でも失敗の山をきちんと避けられます。

アンティーク風・シャビー風に仕上げる方法

クラック(ひび割れ)を出す

アンティーク感を一気に強めたいなら、まずはマットな下地色を作ってからクラックを重ねる流れがきれいです。
筆者はベースにターナーのミルクペイントのような粉っぽさのある水性塗料を使うことが多く、つるっとした発色よりも、少し落ち着いた面を先に作っておくと、その後のひび割れが浮かずになじみます。
色は生成り×グレーの組み合わせが扱いやすく、古びた棚や小引き出しのような空気が出ます。
少し甘さを足したいなら、ミント系の面に真鍮色の取っ手や留め具を合わせると、シャビーでも軽さが残ります。

クラッキングメディウムは、『ミルクペイントシリーズ(DIY向け水性塗料)』でも案内されている通り、下塗り→メディウム塗布→乾燥→上塗りの順で使います。
乾燥の目安は15〜30分で、この待ち方が表情を分けます。
早すぎると上塗りがただ伸びて終わり、待ちすぎると割れ方が控えめになりやすいです。
いちばん映えたのは、指でそっと触れたときに乾いているのに、まだ少し糊っぽい気配が残る頃でした。
そのタイミングで上塗りを一方向にさっと乗せると、ひびが自然に走ります。
ここは何度も往復すると割れがつぶれるので、上塗りは触りすぎないほうがまとまります。

下色は濃いめ、上色は明るめにするとクラックが見えやすくなります。
たとえばチャコールグレーの上にアイボリー、くすみブラウンの上に生成りのような組み合わせは、小物でも変化が伝わりやすい配色です。
反対に近い色同士だと上品には見えますが、せっかくのひび割れが写真で拾いにくくなることもあります。

かすれ・ドライブラシ

シャビー風で失敗しにくいのは、全面を作り込みすぎず、表面の一部だけに“抜け”を残す方法です。
代表的なのがドライブラシ、いわゆるかすれ塗りです。
刷毛に塗料を少量だけ取り、受け皿や紙の上でほとんど色が出なくなるまでならしてから、木目や角に軽くこすりつけると、塗膜が均一に埋まらず、古道具っぽい乾いた表情が出ます。
白を乗せるより、グレージュや薄いグレーを重ねたほうが、わざとらしさが出にくい印象です。

スポンジ塗りも相性のいい技法です。
平らに塗り広げるというより、ポンポンと置く感覚で重ねると、刷毛跡とは違うムラが残って味になります。
ここでのコツは、スポンジの塗料を落としすぎないことです。
筆者は最初、しっかり絞るようにオフしていたのですが、それだと乾いた粉っぽさだけが先に出て、面が痩せて見えました。
キッチンペーパーで余分だけを取ってから当てると、塗料が点で残り、そのムラが古びた塗装のような表情につながります。
スポンジ塗りは、生成りのベースに薄グレーを重ねると柔らかく、ミントの上に少量の白を乗せるとペイント家具らしい軽さが出ます。

塗装が落ちたようなエッジを作りたいときは、乾燥後に角だけ軽く研磨します。
小物なら#220を当てて、角・ふち・取っ手まわりだけをなでる程度で十分です。
面全体を削るより、手が触れそうな場所に絞ったほうが自然に見えます。
筆者は箱物ならふたの角、缶なら縁、フレームなら外周の出っ張りから始めます。
そこだけ下色や素材感がのぞくと、使い込まれた印象が出ます。

WARNING

最初から強く汚しや研磨を入れると修正が難しくなります。かすれ塗りや研磨はまず軽めに行い、全体のバランスを見てから少しずつ足してください。

汚し

アンティーク風をおしゃれに見せる分かれ道は、“古さ”より“陰影”として汚しを入れることです。
全面を茶色くすると、古びたというより単にくすんだ印象になりやすく、初心者がいちばん迷いやすいところでもあります。
筆者がよく使うのは、ミルクペイントでベース色を整えたあとに、アンティークメディウムを角、溝、モールディングまわりへ薄く入れる方法です。
先にベースをしっかりマットにしておくと、後から乗せた色が浮かず、陰になってほしい場所だけ締まります。

手順は難しくありません。
メディウムを刷毛か小さなスポンジで少量取り、凹みや接合部に入れたら、すぐに布やキッチンペーパーで広げながら拭き取ります。
残すのは“汚れ”そのものではなく、時間がたまった気配です。
スポンジ塗りで周辺に少しだけぼかすと境目が消え、自然なムラになります。
木箱なら持ち手の下、引き出しなら角と引き手まわり、空き缶なら縁と底の立ち上がりに入れると、形の立体感が出ます。

色合わせは、生成り×グレーにブラウン系の汚しを薄く重ねると落ち着きがあり、リネンや木の家具とも合わせやすいです。
ミント×真鍮色パーツなら、汚しは濃くしすぎず、少しグレー寄りのくすみを足すくらいが上品に収まります。
金具の色が強いぶん、塗面まで重くするとバランスが崩れるからです。

“汚し過ぎ”を避ける目安としては、正面から見たときに最初に目へ入るのが色ではなく汚れになったら入れすぎです。
アンティーク調は、ベースカラーが主役のまま、角や溝にだけ物語が残るくらいがちょうどよく見えます。

仕上げニスの選び方

せっかくマットでやわらかい表情を作っても、仕上げでツヤが強いニスをかけると雰囲気が変わります。
アンティーク風やシャビー風なら、基本はツヤ消しの水性ニスでまとめると質感がぶれません。
ミルクペイントの粉っぽい面や、かすれ塗り、軽く研磨したエッジがなじみやすく、作り込んだ表情だけが残ります。

塗り方は、保護のために厚く覆うというより、表面を薄い膜で整える感覚が合います。
刷毛で一方向にのばすか、平らな面ならミニローラーでさっと広げると、せっかくの凹凸を埋めにくくなります。
屋外に置くプランターカバーや玄関まわりの小物では、屋外対応の水性ニスを選ぶと使い方に合った仕上がりになります。
室内の飾り棚やフォトフレームなら、ツヤ消しクリアだけで十分雰囲気を保てます。

ニスは保護だけでなく、色の見え方を整える役目もあります。
汚しやドライブラシを入れた面は、塗った直後と乾いたあとで印象が少しずれることがあり、トップコートをかけると全体のトーンが落ち着きます。
『お家の雑貨をペイントしてリメイク! 人気DIYブロガーオススメの塗料と塗り方のコツ』でも、小物雑貨は仕上げ材まで含めて質感を作る考え方が整理されていて、ここは見た目を左右する工程として外せません。
ツヤを足すより、マットなまま保護する。
この選び方が、アンティーク風を上品に見せる近道です。

関連記事ミルクペイントの使い方|家具をアンティーク風に塗る手順木製家具のリメイクは、塗る前のひと手間で仕上がりがぐっと変わります。筆者も最初は1回目が薄く見えて不安になりますが、2回目を重ねた瞬間に色と質感が整う場面を何度も見てきましたし、木地を#180から#240へやすり上げるだけで毛羽立ちがすっと収まります。

100均アイテム別の実例アイデア

木箱・トレー

100均の木箱は、はじめてのリメイクでも完成形を想像しやすい素材です。
筆者がいちばん取り入れやすいと感じる定番は、表面を#180で研磨して毛羽立ちを整え、ミルクペイントを2度塗りし、仕上げにツヤなしニスを重ねる流れです。
木は塗料を吸い込みやすいので、1回目で少し色が沈んでも慌てず、乾いてから同じ色をもう一度重ねると面が落ち着きます。
アイボリーやグレージュならナチュラル寄り、スモーキーブルーなら少しフレンチ寄りと、同じ木箱でも部屋の雰囲気に合わせて印象を振れます。

塗り終えた木箱は、そのままでも十分かわいいのですが、100均のラベルステッカーや取っ手付き金具を足すと、既製品の収納雑貨に近い佇まいになります。
前面に小さなネームプレート風の金具を付けるだけでも、文房具入れが引き出し風に見えてきます。
こうすると“塗っただけ”で終わらず、使う場所までイメージしやすくなります。

小物トレーも発想は同じですが、全面を同じ調子で塗るより、底面だけステンシルで柄を入れ、側面はドライブラシでシャビー感を出すと表情がぐっと豊かになります。
底に英字や幾何学柄を入れると、アクセサリーや鍵を置いたときに柄が少しのぞいて、見た目が単調になりません。
側面はベース色の上から白や薄いグレーをかすれ気味に重ねると、使い込まれた古道具のような空気が出ます。
RoomClipの「ササッと塗るだけでアンティークな風合いに。
ダイソーのミルクペイントでDIYにチャレンジ」でも、100均塗料のマットな質感が小物と相性よくまとまる様子が見えて、この方向性は取り入れやすい組み合わせです。

空き缶

空き缶はブロカント風の雰囲気を作りたいときに便利です。
手順は、脱脂してから金属用プライマーを入れ、その上にミルクペイントを重ねるのが安定します。
外側の印刷が強い缶でも、この順番なら色が落ち着きやすく、くすみカラーや白系も乗せやすくなります。
ベージュやオリーブ、チャコール系は、グリーンを入れたときに葉の色が映えます。

見た目を整えるなら、ラベル風ステッカーと麻紐の組み合わせが相性抜群です。
中央に英字ラベルを貼り、口元に麻紐をひと巻きするだけで、ジャンク寄りだった缶がナチュラルなグリーンポット風にまとまります。
こうした発想はマイホームマーケットの「身近な不用品が小物&インテリアに大変身!人気DIYブロガーのリメイクアイデア集」にも通じていて、不用品をインテリアへ引き上げるときは、塗装と装飾を別々に考えないほうが完成度が上がります。

筆者が実際に作っていて気になったのは、空き缶の内側まで塗料が回ると、乾いたあともにおいが残りやすいことです。
とくに小さめの缶は内部に空気がこもりやすく、見た目は乾いていても独特の塗料臭が抜けにくく感じました。
そのため、缶を小物入れやポットカバーに使うなら、外側だけ塗装して、内側はそのまま生かすか、防水インナーを入れる形のほうが扱いやすいです。
切り口やフチが鋭い缶は触れたときに手を傷つけやすく、古い缶はサビの進み方にも差が出るので、飾り用途として仕上げるほうが収まりがいいと感じます。

プラケース

プラケースは実用品としての変化がわかりやすい素材です。
透明のままだと生活感が出やすいケースも、脱脂してからマルチプライマーを入れ、水性塗料で色をそろえると、棚の中の見え方が整います。
木や缶より下地づくりがものを言う素材なので、ここを飛ばさず進めたほうが仕上がりに差が出ます。
ESSE onlineの「ミルクペイントを使った簡単100均ペイントアイデア5選」でも、プラスチック小物ではマルチプライマーを挟む手順が紹介されていて、実用品ほどこのひと手間が効いてきます。

色は、ケースごとに変えるよりくすみカラーで統一したほうがインテリアになじみます。
グレージュ、スモーキーグリーン、ダスティブルーのような彩度を落とした色でそろえると、棚に並べたときに雑然と見えません。
さらに前面へ見出しラベルを貼ると、裁縫道具、薬、コード類など中身の系統まで整って見えます。
透明収納の便利さとは別の方向で、部屋全体の色数を減らせるのがペイントの魅力です。

プラケースは角やフタの縁だけ摩擦が出やすいので、全面を厚く塗り込むより、面を均一に整える意識で進めると見た目が軽くなります。
収納用品として使うなら、真っ白よりも少しグレーを含んだ色のほうが家具の木部やファブリックとなじみやすく、生活感をうまく引いてくれます。

ガラス瓶

ガラス瓶は、透明感を残しながら雰囲気を変えられるのが魅力です。
いちばん映えるのは、ガラス用塗料でフロスト調の半透明仕上げにする方法です。
表面がほんのり曇ったようになり、光を通しつつ中身を見せすぎないので、ドライフラワーやLEDライトを入れたときにやわらかい表情が出ます。
色を付けるなら、白っぽい曇り仕上げのほか、淡いグレーやくすみブルーも相性がいいです。

筆者はガラス瓶を塗るとき、一度に色を乗せようとして刷毛跡を残したことがありました。
そこからは、薄く広げて乾かし、また薄く重ねるほうが表面の手触りまできれいに整うと感じています。
厚く置いたときの筋っぽさが消えて、乾いたあとに指で触れると、さらっと曇りガラスのような均一感が出ます。
ガラスは木と違って吸い込みがないぶん、塗り重ね方の差がそのまま表面に出ます。

装飾は麻紐や小さなチャームがよく合います。
口元に麻紐を巻いて、アンティーク調のチャームをひとつ下げるだけで、花瓶というよりディスプレイ小物の印象になります。
ラベルを貼るなら正面だけに絞ると、半透明の質感が隠れません。
なお、ガラス用に塗装した瓶は、見た目がきれいでも食器用途へ戻さない前提で扱うほうが収まりがいいです。
飾る、収納する、灯りを楽しむ、といった使い方に向いています。

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100均パーツで“仕上げる”

塗装しただけの小物と、完成品らしく見える小物の差は、仕上げのパーツ選びに出ます。
100均で見つけやすい蝶番、つまみ、ラベル、ステンシル、麻紐、転写シールは、どれも小さな部材ですが、組み合わせると印象が大きく変わります。
木箱に蝶番とつまみを足せばミニキャビネット風になり、プラケースにラベルと転写シールを入れればショップ什器のような整理感が出ます。

筆者がよくやるのは、ベースカラーを塗ったあとに装飾の役割を一つだけ決める方法です。
たとえば木箱なら取っ手金具を主役にする、空き缶ならラベルと麻紐でまとめる、ガラス瓶ならチャームだけに絞る、といった考え方です。
全部を盛るより、視線が集まるポイントを一か所作ったほうが、100均材料でも雑貨店のディスプレイのようにまとまります。

ターナーのミルクペイントシリーズ解説ページでは、塗料だけでなく下地材やメディウムを組み合わせて仕上がりを作る考え方が整理されています。
実際、小物リメイクも同じで、色だけで完成させるというより、塗膜の質感とパーツの素材感を重ねると一段上の見え方になります。
ラベルを貼る、つまみを替える、麻紐を巻く。
そうしたひと手間が、100均アイテムを“工作”から“インテリア小物”へ押し上げてくれます。

よくある失敗と対処法

施工中の失敗は、実は仕上がりの「表情」よりも、下地と乾燥の抜けで起きることが多いです。
とくに100均小物は、木・金属・プラスチック・ガラスで塗膜の乗り方がはっきり違うので、同じ塗り方をそのまま横展開すると不具合が出ます。
アトムハウスペイントの「初心者の方必見!DIY塗装の始め方」でも、DIY塗装は下地処理と乾燥条件の積み重ねで差が出る流れが整理されていて、小物リメイクでもそこは同じだと感じます。

剥がれ

剥がれは、脱脂不足、プライマーの省略、乾燥不足のどれかが絡んでいることがほとんどです。
とくにプラスチック小物や取っ手付きケースは、見た目では塗れていても、触る回数が多い場所から先に浮いてきます。
筆者は「角から剥がれるなら、そこが下地不足の合図」と考えるようになってから、修正の勘所がつかみやすくなりました。
角や取っ手まわりは摩擦が集中するので、その部分だけでも入念にプライマーを入れると、塗膜の持ちが目に見えて変わります。

剥がれた面は、上から塗り足しても段差が残ります。
いったん#180で剥離と足付けをして、脱脂し直し、素材に合ったプライマーを入れてから薄塗りを2回に分けるほうが収まります。
木部よりも、プラスチックや金属の角はこの手順の差が出やすく、エッジだけ塗膜が薄く切れた状態を放置すると、そこから周囲まで広がります。

ベタつき

表面がいつまでもベタつくときは、厚塗り、低温や高湿度の環境、乾燥不足が重なっています。
塗った直後は色が乗ったように見えても、塗膜の中に水分や溶剤分が残ると、指で触れたときにねっとりした感触が続きます。
こういうときに触って確かめ続けると、指紋まで入ってしまいます。

筆者が実際に助けられたのは、ベタついた面を一晩送風に当てて、表面の落ち着きを待ってから手を入れる方法でした。
翌日に触って“張り付く感じ”が薄れた段階で、#240で軽くならしてからクリアで全体をまとめると、ざらつきと指跡の両方を拾い直せます。
まだ柔らかい状態で塗り重ねると傷みやすいので、再塗装するときも薄く置いて、塗り重ね間隔は製品表示どおりに守るほうが失敗が増えません。
風通しを確保して、表面だけでなく塗膜の中まで乾いた感触になるまで待つのが近道です。

ムラ・刷毛跡

ムラや刷毛跡は、刷毛に塗料を含ませすぎたときと、同じ場所を往復塗りしたときに出やすくなります。
とくにガラス瓶やプラケースのような吸い込みのない素材では、置いた塗料がそのまま線になって残るので、塗り始めより塗り終わりのほうが汚く見えることがあります。

対処するときは、一方向に引いて面をそろえるのが基本です。
途中で戻ってなで直すと、半乾きの面にもう一度筋を作ってしまいます。
塗料の粘度が重くて伸びないと感じたときは、希釈できる製品かどうかを説明欄で見てから扱うと無理が出ません。
広い平面はミニローラー、小さな凹凸はスポンジというふうに道具を分けると、刷毛一本で全部片づけるより表面が整います。
アサヒペンの「DIYに使用する塗料の基本を紹介!種類や違いについて」でも、塗料ごとに適した塗り方が分かれる前提で説明されていて、小物でも道具の相性を合わせる意味は大きいです。

汚し過ぎ

アンティーク風に寄せるつもりが、ただ“古びて見えるだけ”になる失敗もよくあります。
濃色のメディウムや汚し塗装は、一度に入れると戻しにくく、陰影というより黒ずみに見えがちです。
筆者も木箱の角を強く汚しすぎて、せっかくのベースカラーが沈んでしまったことがありました。

こういう場合は、研磨で戻してから調整し直すほうがきれいです。
濃色メディウムは最初から決め打ちせず、少しずつ足しながら止める位置を探ると、陰影が自然に残ります。
汚しを削って明るさを戻したあと、表面の質感がちぐはぐに見えるときは、ツヤなしニスで全体の光沢をそろえると統一感が戻ります。
シャビー風は色そのものより、削れ方とツヤの揃い方で印象が決まります。

乾燥不足による白濁・曇り

乾燥不足のまま重ねると、白っぽく曇ったり、表面が白濁したように見えたりします。
とくにクリアやニス、ガラス調の仕上げで出ると目立ちます。
塗膜の中に湿気がこもった状態なので、色を足して隠すより、まず乾燥条件を立て直すほうが先です。

白濁や曇りが出た面は、十分に乾かしたあとで#220の軽研磨を入れ、上から薄く塗り直すと整えやすくなります。
ここで強く削ると下地まで出やすいので、表面の曇りだけをならす感覚のほうが収まりません。
小物は面積が小さいぶん、焦って工程を詰めると一か所の失敗が全体に見えてしまいます。
乾燥不足の修正も、再研磨してから上塗りする流れに戻したほうが、見た目の差が残りにくくなります。

TIP

修正が必要になったときは、上から隠すより、いったん表面を整えて塗膜を組み直すほうが仕上がりは落ち着きます。
剥がれは#180で下地からやり直し、白濁や曇りは#220、ベタつきのならしは#240というように、トラブルの深さで番手を使い分けると迷いません。

まとめ|初心者が最初に選ぶならこの組み合わせ

最初の一歩なら、筆者は木箱×ターナーのミルクペイント×ツヤなしニス、または空き缶×金属用プライマー×ミルクペイントを選びます。
木箱は塗膜が乗る感覚をつかみやすく、教室でも最初の一作がきれいに決まると、その場の空気がふっと明るくなって次の挑戦につながります。

迷ったら、まずは基本価格帯が110円(税込)の木箱や身近な空き缶で試すのが堅実です。
『Can★Do』の公式ネットショップでも塗装用品の展開が確認でき、入口の道具はそろえやすくなっています。
プラスチックは脱脂とマルチプライマーを省かず、ガラスは遠回りせずガラス用塗料を選ぶほうが失敗を減らせます。

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佐藤 美咲

インテリアデザイナー兼DIYクリエイター。家具リメイクやアンティーク加工など、暮らしを彩る塗装テクニックを発信。

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